Daishichi, Kaneda

Los Angels Branch Kaneda presents
Daishichi Brewery

正統的な「生もと造り」にこだわる大七酒造

創業宝暦二年

レンガ色でシャトー風洋館の大七酒造の新しい蔵は、その界隈では一際目立っていました。新蔵の建設は、2001年から2005年に3年以上の月日をかけ、しっかりゆっくり建て替えられたのだとか。速醸酛と違い、大切な蔵つき酵母や蔵にいる生酛の元になる微生物が昔の蔵から新蔵に引っ越さなければならないという理由で、一気に昔の蔵を壊して、新蔵を建てることは出来なかった。槽場、仕込み室、麹室、そして最後にもと場、と徐々に移動し、もと場は蔵つき酵母や微生物のために旧蔵の壁をはがして移築したらしいです。

生酛造り

「生もと造り」は、「もと」=酒母の造り方に特徴があり、長時間かけて酵母や麹から清酒の「味」になる多くの物質が生成されるため生もと独特の味が生まれますが、非常に手間のかかる造り方です。生もと系酒母とは、あらかじめ化学的に培養した清酒酵母と米、米麹、水、合成乳酸を混ぜて、一週間程度で 酵母を増殖させた速醸酒母とは違い、化学的に培養した乳酸菌や酵母を使わず、一月ほどかけて自然のままの乳酸菌や酵母を増殖させたものです。生もと造りは時間をかけて酒母を造っていく過程で、半切桶や暖気樽に付着していたり、酒造蔵の中の空気中に浮遊している乳酸菌や酵母(「家付き酵母」と呼ばれています)が酒母の中に入り増殖していきます。

伝統と歴史のある蔵

大七酒造は約250年前、1752年が創業。太田家による家族経営で、3代目以降七右衛門を継承し、会長が太田七右衛門氏が9代目、現当主の太田英晴氏が10代目。 8代目の時には全国清酒品評会で第一位を受賞し、昭和天皇即位の時に献上酒を納め、輝かしい成果を残した蔵です。通常の数倍も手間暇をかける伝統的醸造法を代々受け継ぐ事により、規模より質の経営に特化。海外でも名声が高く、2008年洞爺湖サミットの乾杯酒(首脳夫人晩餐会)に選ばれ、欧州のレストランガイド「ゴーミヨー」の表彰で、日本企業では初の年間最 優秀シェフ賞のプレゼンターに選ばれました。

恵まれた自然環境と良質の名水

大七酒造は福島県の阿武隈山地から安達太良山にまたがる二本松市に位置し、この周辺は日本三井戸の一つ「日影の井戸」や山麓部からは良質の地下水が豊富に湧出しています。酒造りに適した名水の条件は、麹菌と酵母の働きを助ける水。また一般に硬水だと辛口の切れのよい酒(男 酒)、軟水だと甘口でマイルドな酒(女酒)ができるといわれます。二本松の地形は、西に安達太良山、東に阿武隈山地があり、真ん中を阿武隈川が南北に流れる。西の新しい地層は軟水系、東の古い地層は硬水 系が多く、中央の市内は地層が複雑に入り組んでいるため、大七酒造の仕込み水は、きめ細かさと強さを併せもった中硬水である。

こだわりの新蔵

大七酒造は和釜による蒸しに強いこだわりがあります。鋳物の和釜は強火に耐えるので、通常よりも高温の乾燥蒸気を発生させて蒸米表面から余分な水分を奪い、「外硬内軟」の理想的な蒸米を作り出すからです。つまり表面が乾き、何に湿気があるものが最良といわれる現在では多くの蔵がボイラーの蒸気や連続蒸米機で簡易に米を蒸すようになったが、大七ではあえて手の掛かる和釜でないと出来ない蒸しにこだわってます。

麹室はもと麹、添麹、仲麹、留麹と、酒造りの各段階で用いる麹を、それぞれ最適なタイプに造り分けるために独立した4室に分かれている。また、湿度調節は天然の木が一番ということで天井、全壁すべてが杉の木で造られている。材料は立木の時から目をつけていた樹齢99年の大木を丸太で購入し自社で製材した。また、天井には野白式の換気口がついて、2つ対になった換気口の両方を開けると自然に対流が起こり、 ファンがいらない仕組みになっている。独立した4つの麹室を備えるという贅沢さや、この徹底して妥協を排したこだわりは、全国唯一です。

《大七独自の技術》

超扁平精米
米の表面からどの部分も等しい厚さに分布するタンパク質を効率よく削り取る精米法で、それをさらに進化させたのが超扁平精米です。従来の精米法で44.4%精米のものと、扁平精米63%でのタンパク質含有量はほぼ等しいそうです。その結果、雑味の原因となるアミノ酸が減少し、吟醸香の生成に関連の深いグルコースが多いという非常に好ましい結果も出てくるそうです。超扁平精米は表面に沿って極度に扁平に削っていくため、雑味成分を徹底的に除去でき、しかも無駄が少ない。通常は○型に削るため、白米の有効部分を無駄に削る事が多い一方、雑味成分の削り残しが出やすい。

無酸素充填システム

充填時にお酒が空気と触れない無酸素充填ラインでは、充填時に酸化されることがなく、充填直後でも驚くほど酒質がなめらかです。しかも長期的にも、最も酸化による酒質の劣化を防ぐことを実現した。

  1. 充填ノズルが降りてきて、空瓶の瓶口を密封する
  2. 瓶内の空気をバキュームして真空状態にする。
  3. 瓶内を窒素ガスで満たす。
  4. 酒が窒素ガスを押し出しながら注入される。。
  5. 充填ノズルが瓶口を離れ、速やかに打栓する。
きもと一筋250年! 大七酒造こだわりの酒
純米大吟醸 宝暦 720ml

雫酒から選りすぐられた特選品。
フルボディーの深いコクと上品で精妙な香気がとけあう最高級品。
まろやかでふっくらとした中甘口。
10~13度程度に冷やして。そのまま食前酒・食後酒としていただくか、柔らかな旨味を
もった料理と。
料理例: そのまま食前酒・食後酒として。また、メロン・イチゴなどのフルーツ、生ウニ、ハモの湯引き、スモークサーモン、北京ダック、鶏のクリームシチュー、仔牛のカツレツ・レモン添えなど。

純米大吟醸 箕輪門 720ml

独自の扁平精米により雑味を徹底除去。上品な芳香と舌解り。
香りは、よりエレガントで繊細、リンゴの香りにミネラル香。
味わいは、優しくなめらかな第一印象から広がりも上品で、余韻に心地よいほろ苦みを残している。
10~15度の冷酒で。すっきりした味わいは懐石料理に最適。
料理例: ヒラメの薄造りスダチ添え、ゆでたタラバガニ、川魚の塩焼き、冬瓜カニあんかけ、白身魚のムースなど。

純米 生もとClassic 720ml

大七でなければ出会えない味わいがあります。純米生もとCLASSICは、純米生もとファンのために特別に醸造した、さらに濃醇で奥深い美酒。常温またはぬる燗で、じっくりお楽しみいただきたい、正に古典的な格調をもったお酒です。
15~20度の常温や、ぬる燗。そして熱燗でも。
料理例: 牡蛎の土手鍋、牛しゃぶしゃぶゴマダレ、鶏唐揚げ、真鯛の酒蒸し、牛もも肉のあぶり焼き、麻婆豆腐、北京ダック、干し貝柱の煮込み、鴨の治部煮、アワビのオイスターソース、ブルーチーズなど。

生もと 梅酒 720ml

大粒の良質な紀州産南高梅を漬け込んだお酒は、大七の誇る「純米生もと」の原酒。近代製法ではまねの出来ない奥深い緻密なコクに定評があります。この贅を尽くした製法ができるのは、生もと造りに全国随一の評価を誇る大七酒造ならでは。味わいはどこまでも限りなく芳醇で、最も自然な醸造酒ならではのビロードのような極上のなめらかさです。
料理例: デザートのフルーツやお菓子と一緒に。

雪しぼり 720ml

シャンペンのように瓶発酵させた微発泡性のにごり酒。優しい涼しげな香りと、果実のような上質な甘みがきれいに広がり、ピリッとした炭酸ガスが爽やかさを醸し出す、新感覚のユニークな日本酒です。
料理例: メロン・桃・洋梨などのフルーツ、生ハムとメロン、菜の花・セリのおひたし、タラの芽の天ぷらなど。